天使という名のハンター

 
 ──とにかく、ベリルに会う事が先決だ。何がなんでもキースに教えてもらわなければならない。

 正当な理由がある、引き下がる訳にはいかない。そういやあいつ、ベリルとそれなりに交流がありそうだが、どこまでの仲なんだ?

 付き合いは長いが、俺はあいつのプライベートをよく知っている訳じゃない。

 そんなことを考えながらスマートフォンを手に取りキースに電話をかける。

<なんだよ。なんか用でもあるのか>

 案の定、機嫌が悪い。舌の根も乾かないうちに電話をしているんだから、そりゃあ当たり前だな。

「すまん。どうしてもベリルと会わなきゃいけないんだ」

<んあ? なんだよ>

 殊勝(しゅしょう)な態度の俺にキースは驚いたのか声がうわずっている。

「話を聞きたいだけなんだ。争うつもりはない」

<理由は>

 問われたセシエルは正直に答える。

 キースは終始、大人しい友人を信用したのか、溜め息を吐きつつもベリルの居場所を教えた。そのなかで二人の間柄を訊いてみると、何度かベリルから要請を受けていて、ある程度の信頼をされているらしい。