<どんな依頼だったんだ?>

 言えよとせがまれ、セシエルは仕方なく大体の説明をした。

 すると余計に怒られた。

<おまえは本当に馬鹿だな!>

 あいつがそんな理由で人を殺す訳がねえだろが!

 こんなことなら、教える前に理由を聞いてれば良かったぜ。ハンターとしての守秘義務なんか尊重するんじゃなかった。

 それを聞いて、

「引き受ける前に確認はしなかったのか」という言葉を思い出しセシエルは奥歯を噛みしめる。

 アンジェリーナの情報に、間抜けにも調べた気になっていた。

 彼女の涙にほだされて慎重さに欠けていたことに悔しさは否めない。

<とにかくだ。あいつ(ベリル)はこっち側の人間なんだから勘違いすんな!>

 ぴしゃりと言われてぐうの音も出ない。