──セシエルは病院から出て舌打ちをする。
「なんだって、こんなことになっちまったんだ」
男三人は死に、アンジーは一命を取り留めたものの意識が戻らない。
「このままで済むと思うなよ」
そこにスマートフォンが着信をメロディで知らせる。
表示された名は友人のキースだ。アメリカ陸軍に所属していたが数年前に傭兵に転身した。
ハンターの俺が言うのもなんだがフリーの傭兵なんて補償はないし稼げないというのに、よくやるよと呆れたものだ。
<おい。おまえ、大丈夫なのか>
「ああ」
随分と慌てた様子に片目を眇めた。
<どんな理由であいつを探していたのか知らないが、おまえを信用したから教えたんだぞ>
絶対に闘うなって言ったよな!? しかも捕まえたってどういうことだよ!
「あー、あー。悪かったよ。怒鳴るなって」
<あいつがおまえのことを訊いてきた>
「え? なんて?」
<怒るなよ?>