天使という名のハンター

「アンジー! ──っ!?」

 駆けつけると男たちは地面につっぷし、まるで動く気配はなく無表情で立っているベリルの手にはハンドガンが握られ、足元にアンジェリーナが横たわっていた。

「てめえ!?」

 セシエルは腰の後ろから素早くハンドガンを抜くと、躊躇(ためら)うことなくベリルに引鉄(ひきがね)を絞った。

 けれどもベリルはセシエルがハンドガンを抜ききる前に駆け出し、放たれた銃弾は虚しく脇をかすめる。

 そうして、駐まっていた車の影に隠れてセシエルの様子を(うかが)った。

 むやみに撃っても弾が減るだけだということは怒っていても理解しているようで、隠れた途端に撃つ手を止めた。

 しかし、車の影から少しでも出たなら絶対に外さないと言わんばかりに銃を構えている。