飛べないカラスたち




それからカインは熱を出して暫く学校も、リクとセイと遊ぶのも止めて久しぶりにこの純度の高い闇を堪能していた。


朝が来て、闇が無くなっても、どこか暗い気持ちも熱っぽい身体も消え去ることはなく、母親の看病さえもない。


学校からの電話もなければ、友人からの電話だって皆無だ。


しかし冷蔵庫には口に出来る最低限の食事があるし、眠っている間に母親が帰っていたのだろう、いくつか新しい食料もあった。


食料を調達すべく、漁っていると栄養補助食品が目に付いた。


それを食べて何とかやり過ごし、薬を飲んで眠った。


そのとき、レイが帰ってきた夢を見た。


チャイムがなって、ルックが玄関のドアを開けると、レイは警察官と一緒に立っていて、とても悲しそうに、ルックを見つめていた。


そして、静かに、言った。



『私が一緒に居てあげられなかったから、こんなことになってしまったのですね。ごめんなさい。ルックの代わりに私がこの罰を受けます』



そのときのルックは声が出ずに身体は鉛のように重たかった。


ただそれだけを言うと警察官に両腕を掴まれ、レイはそのまま車に押し込まれていく。


待って、と声を出しているはずなのに、声帯が欠落したように、声はヒュウとも鳴らず、進んでいく車を追いかけることさえ出来なかった。


そこで、目が覚める。






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