飛べないカラスたち




あの箱の中にいれば寂しさと絶望ばかりが埋め尽くし、圧迫してくる。そしてその空気を吸った自分はその毒に侵されてあの暗闇に溶け出してしまいそうに思えた。


少年たちは手を差し伸べて、ルックの腕を取った。仲間だと認めてくれたのだろう。


名前を、リクとセイと名乗った。


早速リクにタバコを一本勧められ、ルックは口にする。独特の苦味と臭み。咽喉がおかしくなりそうな気がして、思わずむせると二人はゲラゲラと笑って膝を叩いた。



「まぁ最初は誰でもそうだって、頑張って慣れろ」



スパスパとタバコをふかしながらセイはルックの頭を撫でる。


この時間帯に街でたむろする少年たちというのは、本当は皆優しい人間なのだろうとルックは確信する。


同じ闇を共有する二人は、ルックと同じく家の『闇』が嫌いだから逃げてきたのだと、まずはリクが話した。



「俺の家は夫婦間が険悪でさ。二人がイラ付いてその原因が俺の頭が悪いからだ、とか言うんだぜ?自然交配型を選んだのはお前だろ!ての」



「それもウザいよなぁ。俺のトコは意味もなく殴ってくるからさ。家に帰りたくても怖くて帰れないんだよな」



カインは?と一通り二人の身の上話を聞かされたルックはその問いかけに少し渋ってから、言った。