飛べないカラスたち




教師はきっと同級生を殴ったことよりも説教に聞く耳無しのルックを不満に思っていたのかもしれない。


対するレイは一瞬驚いて、二人の元へ近付くと、ルックに問いかける。



「本当に殴ったのですか?」



ルックは頷いた。


潔い返答に思わずレイは笑った。



「では私も一緒に怒られましょうか。先生、お話の続きをどうぞ」



にっこりと笑いながら先を促すレイに、教師は少し出鼻を挫かれた形になり促されても何を話していたか覚えてはいなかった。


所詮それほどのものなのだ。


とりあえず、人に暴力を振るうのはよくない、明日謝っておきなさい、と言うことを伝えて説教は終了した。


その帰り道。


レイは家までの道をルックに合わせながら笑って呟いた。



「カインもやっぱり男の子なんですねぇ…あんまり友達と外で騒いでいるのを見ないのでちょっと安心しました、不謹慎ですが」



「ねぇ兄さん。僕悪いことしたの?アイツはもっと酷いこと言ったのに」



「そうだろうなと思っていましたよ。カインは無闇やたらに人を傷つけるようなことはしないですから」



ルックは俯いて今日、同級生に言われた言葉を心の中で反芻していた。


これを聞いたら、レイは何と思うだろう。この表情が歪んでしまうのだろうか。


悶々と悩んでいると、レイは控えめに尋ねた。