一緒に家に帰って、家では二人で玩具を使ったり、庭に出て遊んだり。
ルックはいつも一人だった時間に、遊んでくれる相手が出来てとても喜んでいた。
眉目秀麗な兄は中学校はおろか、小学校の生徒にまで噂されるほどで、その噂を聞く度に嬉しいような恥ずかしいような心地がした。
まるで、芸能人と一緒に生活をしているような、そんな錯覚。
それでも強ち間違ってはおらず、レイの存在は何の変哲もない街の片隅を揺るがす大ニュースだったのである。
道を歩けば囁き声が聞こえ、女は振り返る。
「兄さんは人気者だね」
「そうでしょうか?」
少し困ったように微笑んだレイは、噂されることがあまり好きではないようだったが、ルックは自分の好きな兄が周りに好かれていることが嬉しくて仕方ない。
それがたとえ、自分が密かに恋心をいたいていた少女もだったとしても。
「レイナもリンも、兄さんの噂してたよ。先生も、僕を見て『お兄さん素敵な人ね』って言ってた」
「おや、それはカインにご迷惑を掛けてしまっていますね」
「ううん、僕は兄さんが皆に好かれてるの、嬉しいよ」
その言葉に苦笑していたレイの顔が緩んだ。
なんとなく、女の人がレイに好意を寄せるのが、ルックには理解が出来た。
親戚の人たちや近所の人たちが浮かべる笑顔は汚い笑顔だったのだと、わからせてくれるほどの、綺麗な笑顔を浮かべていたから。
手を繋ぎながら帰る道。
殆どルックが尽きることない話をし、レイはただそれを静かに聞いていた。
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