飛べないカラスたち

*




母親は趣味として毎日料理教室やお茶やお花などの教室に通っていたのでルックは学校から帰ってくるといつも一人だった。


しかしレイがやってきてからは授業が終わると、ルックは隣接されている中学校の下駄箱で、レイが授業を終えるのを待つのが日課となっていた。


チャイムが鳴ると、教室から急いで降りてきたのだろう、バタバタと騒がしい音が徐々に鳴り響き、月色の髪が現れる。


暫くすればレイの足音が聞こえただけで、レイだとわかるようになった。



「お待たせしました、カイン」



「いいよ、本読み終わった」



そういって、ルックは図書館で借りた本をレイに見せた。


レイはにっこりと笑って、その頭を優しく撫でて読み終えたルックを褒めてくれた。


少し新鮮な、対応。


母親も勿論褒めてはくれていたけれど、それは何かの基準を上回った時だけで、例えばテストで高得点をとった、だとかそういうものだけだった。



「面白かったですか?」



血の繋がりなどをその当時気にしたことはなかったが、本当の兄弟のよう、いや、それ以上に二人は仲がよかった。


ルックはその問いかけに大きく頷くと、その本の内容を説明した。


勿論その説明は要領を得なかったかもしれない。


それでもレイはただ頷いて聞いてくれた。