「初めまして、私はレイヴンです」
「………」
青年はその言葉には答えず差し出されたレイヴンの手も払い除けてソファに座った。
呆気にとられたレイヴンと、どうすればいいかわからないジャックドーは互いに顔を見合わせる。
そしてすぐにまた控えめなドアの開く音が聞こえて、少年が無表情に入ってきた。とても冷たく、とても悲しそうな無表情で。
ジャックドーはレイヴンをチラリと見る。
しかし、レイヴンは先ほどのようにすぐには挨拶をせずに、ただ、この場では不釣合いな愕然としたような、困惑の表情で少年を見つめていた。
対する少年も、微かにレイヴンと同じ様な表情を浮かべてレイヴンを見つめている。
室内に充満する、妙にぎこちない雰囲気。
夕焼け色の髪の青年だけがそんな雰囲気を気にも留めず、窓の外を眺めている。
「カイン……カインじゃないですか!生きていたのですね!」
「にい、さん……?」
その声に、レイヴンがカインに駆け寄り、少し屈んでそれは痛々しそうに、辛いような苦しいような表情を浮かべてカインを見つめた。


