そんな遺影の前で呆然とするジャックドーの元へ声を掛けてくれたのは、何人かの親戚たちだった。
ジャックドーは暫く考えて両親とよく遊びに行った親戚の夫婦についていった。
二人はとても優しく、ジャックドーは再び学校へ通えるようになった。
両親を失った痛みは、苦しみは、残ってはいたが、それでも支えてくれる大人もいてくれたこともあり、少しずつだが元気を取り戻していったのである。
簡単に裏切られることを、知らなかった自分が悪かったのだろうか。
ある日ジャックドーが学校から帰ってくると、親戚夫婦の家は空になっていた。
少量の家具を置いて、生活感だけが持ち去られたように。
暫く待っても親戚夫婦は帰ってこず、自分の通帳がなくなっていることに気付いて初めて、自分が騙されたことを知った。
探せば簡単に出てくる親戚夫婦に吐きつくす罵倒はいくらでもあったが、罵倒できるのはそれほどの力があればの話である。
ジャックドーには、残っていなかった。
最愛の両親の死、そして、信じていたはずの親戚夫婦の裏切り。
他に声を掛けてくれた親戚たちに事情を説明し、匿ってもらえるように頼むと、手のひらを返したかのように誰も頷いてはくれなかったのである。
それは『金がなければ意味がない』とでも言っているようだった。


