「…し、……死…に、た…い……ち、…ちか………」
全ての筋を、筋肉を、血管を、内臓を空気に晒しながら、それでも息絶えることの出来ない両親は想像を絶する痛みに、それでも動かせない身体に、ただ身悶えながら涙を流した。
死なないでくれと、言えたら両親は救われただろうか。
ジャックドーは何の手段も持ってはおらず、ただ救急車を呼ぶことしか出来なかった。
そして、救急車の中で、再生不能と判断され、救急隊員が救急車から降りてきてジャックドーへと控えめに、声を掛けた。
「もう、再生不能です。このままでは痛みに苦しみ続けることになります、どうしますか?…終わらせますか?」
それはただただ残酷な選択だった。
考えれば、終わらせる方が遥かに両親のためになるとわかっているのに、自分の口から自分の愛していた両親を殺してくれ、などとは言葉は違えど、言えなかった。
暫くの沈黙を置いて、ジャックドーは静かに頷いた。
それを見た救急隊員は「わかりました」と呟いて、救急車へと戻っていった。
そしてなにやらゴソゴソと動き、暫くして救急隊員が救急車から出くると「ご愁傷様です」と一言呟いた。
両親は医療用の心臓(コア)破壊道具によって、その命を終えた。
残されたジャックドーは莫大な遺産を継いだが、何一つとして輝いては見えなかった。


