飛べないカラスたち

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「くそっ…!」



焦りが削除音が、冷静な思考を奪い去る。


クロウとルックは屋上にたどり着いていたが、鍵が掛かっており、銃弾を打ち込んだが、流石、国家の最重要建造物。


ちょっとの攻撃ではビクともしない。


コアを破壊できる『カラス』の武器、二番目に破壊能力の高いクロウの拳銃を持ってしても、多少凹むくらいでしかない。


二人の足元にはもう何発もの銃弾が転がっている。


銃弾はまだ残っているが、それでも沢山残しているに越したことはない。


弾倉の交換をしながら苛立つクロウはその扉を思いっきり蹴り飛ばす。


少し遠くから銃声が鳴り響いてるので気が気ではないのである。


かといって、自分が参戦しにいったとして、ルックでは扉を開ける力はないし、ルックを助けに向かわせても無意味でしかない。


扉を早く壊せば助けにいけるのに、その扉がビクともしない。


弾倉の交換はこれで二度目だというのに。


ルックは近くの倉庫らしいところで使えそうな道具を探しに行っている。


暫くして戻ってきた時には両手一杯の道具を抱えており、鉄パイプもあった。


それを使って扉を殴っても、騒音が響くだけで、やはり扉の開く気配はない。


ふと、鍵を取り付けているネジへと気付いたクロウは先ほどルックがレイヴンから貰った短刀を一つ借りるとその先端をネジへと差込み、力を込めて回した。


微かな硬さの後に、ネジはくるくると回転し、接続部の間に隙間が出来る。


それを繰り返すと、カチン、と甲高い音と共にネジは外れた。


漸く二人は互いの顔を見合わせて、笑った。


二人して短刀でネジを外し、取っ手が外れれば内部はもう脆い。


銃弾を打ち込めば、微かにつながれていた繊細な造りの鍵は簡単に部品が潰れて扉との間に差し込まれた鍵部分も、外れて蹴り飛ばせば漸く扉が開いた。


眩しいほどの青空が、蛍光灯で慣らされていた目を覆う。


一息つくことさえままならず、クロウは振り返るとレイヴンの元へと階段を駆け下りていく。


その後ろをルックは追うがクロウはそれを止めた。