「テメェ…」
小さく唸るように呟いて、一歩踏み出したクロウの脚をジャックドーが掴んで引き止める。
「……早く行け」
今は期ではない、とジャックドーは冷静に告げた。
別の足音が、もう近い。
「…こういうときに何と言えばいいかわからないが…ありがとう、な。レイヴン、クロウ、ルック」
短刀を、レイヴンに手渡して、ジャックドーは微かに、微笑んだ。
レイヴンが下唇を噛む。
クロウは拳を握り締めている。
ルックは、ただ泣いていた。
血が飛び散って、鳥は飛んだ。
小さな悲鳴と、打音と、発砲音と、通常の削除音をさらに捻じ曲げたような頭蓋を破壊しそうなほどに甲高い、『カラス』用の削除音。
ジャックドーはバイクシューズで階段を飛び越え、女へ一撃を食らわせ、倒れた女の銃弾を受け、死んだ。
「ぅわあああああっ!!!」
「…っ…逃げんぞ!!」


