飛べないカラスたち




性格は穏やかで品があり、冷静で丁寧で完璧。常に微笑を絶やさず、有名会社の秘書と名乗っても誰も疑わないだろう、非の打ち所の無い男。


しかし、仕事(削除)となるとその穏やかさと微笑が逆に恐ろしさを倍増させる。


遊び人のように見えるクロウや、表情に乏しいルックに殺されるよりもいろんな意味で怖いことだろう。


なので普段の仕事(削除)の大半はクロウやルックが担っている。


レイヴンは上との話であったり、ターゲットを削除するのに必要な情報などをまとめ、クロウとルックに伝え、サポートする役目を担っている。つまりはデスクワークだ。


もう一人の仲間であるジャックドーはターゲットの詳しい情報を集めレイヴンへと送る情報屋として、走り回っているのでクロウとルックは滅多に逢わない。


年齢はクロウと同じ18歳。ショートの闇色の髪に黒目。今時珍しい自然交配型の人間で目立つので、普段はキャップを被って、カラーコンタクトをつけている。


ともあれ、諦めて起きてきたクロウを交え、レイヴンはジャックドーと一緒に出席した今回の選考会の内容とターゲットをクロウとルックに簡単に説明した。


詳細は今、ジャックドーが調べてくれている。そう最初につけたして、常に浮かべている穏やかな表情を、真面目な表情へと変えて、レイヴンは話し始めた。



「今回はこの36人で、期限は1週間以内には…とのことです」



「ぁあ!?1週間以内って……」



「今回は人数が多いわりに期間が短いんだね…」



「というのも、彼らは第三地区で一番規模の大きい反カラス組織に入っていまして、これ以上の勢力を持つ前に……と上は言っていました。ジャックドーが調べると、彼らは『カラス』の捜索費に使うという名目で、一般市民からお金を不正に集めているとのことです」



クロウの溜息が一つ落ちる。


7日間で36人。一日に5・6人は仕留めなければならない。