「あ、愛実ちゃんと同室なんだね~♪
良かったぁ」

中学の頃からの友達・杉本朱音(すぎもと あやね)ちゃんがドアを開けて笑顔で寮の部屋に入ってきた

元気な声に、明るい表情で朱音ちゃんは私に抱きついてくる

「朱音ちゃん、これからよろしくね」

私も、荷解きしている手を止めると笑顔で口を開いた

私の名前は沖野 愛実(おきの めぐみ)

15歳

今日から高校1年生だ

全寮制の女子高に入学した

男性は…ちょっと苦手

気になるけど、話しにくいイメージが私にはある

父親も男子のいる共学には反対で、全寮制の女子高に通うのには賛成してくれた

父親は再婚したばかりだし

私が家にいないほうが、嬉しいのかもしれないけどね

父親の再婚に反対はしていないよ

母は私が幼いころに交通事故で亡くなっている

それからはずっと父親が一人で育ててくれたから

私は父に感謝をしているの

幸せになってくれて、私はとても嬉しい


「んじゃ、俺は帰るから」

低い声に私は驚いた

顔をあげると、見覚えのある男性が重そうな荷物を床に置いていた

あ……

『紅夜(こうや)』さん?