【天使の片翼】


同じ頃、痴話げんかというには、少し幼い二人が、言い争いを展開していた。


「何よっ!」


先頭を歩くファラが、大またで部屋へと歩く。


「何か、私に言うべきことはありませんか?ファラ様」


その後ろを、ソランが。


「あ、あの・・・」


さらに、その後ろを、どうしてよいかわからないでいるレリーが続く。


途中の通路で止まったファラは、意を決したように、ソランを振り返った。


「勝手に、剣の稽古など持ちかけて悪かったわよ。

けど、あの腹黒王子が、ちょっとは私に興味持った感じじゃない?」


ファラは、得意げに、ふふんと笑ってみせる。


「そっちじゃありません」


「どっち?」


「あの、王子付きの、シドという男です」