【天使の片翼】




・・いや、それとも、両国の関係を考えて、

軽はずみな行動にでなかった、慎重な少年、かな?



シドは、自分が、ソランの事を考えているのが、おかしかった。

特に、ソランに固執しているつもりもないのに、

やはり、怪我をさせられたことが、よほど気になっているらしい。


とっくの昔に、捨てたはずの心に、傷を付けられたと、己の奥深くが、うずくのだ。


矜持(きょうじ)という名の、青臭い心が・・。


詳しく話そうとしないシドを、ちらりと振り返り、ソードは鼻を鳴らした。


「ふん、まぁいい。女が剣を持つなどと・・・。

噂には聞いていたが、粗野な国だ。


あの女には、早々に死んでもらうとしよう」


「・・よろしいのですか?」


たいした忠誠があるわけでもなかったが、シドは、主人の意思を確認した。


もちろん、答えを知った上で。