産まれてきて良かった。
少年は、最近少しずつ、そんな風に思うことが増えてきた。
それは多分、自分の存在を肯定してくれる大勢の人たちのおかげ。
中でも、自分の事を慕ってくれる少女の存在は何よりも大切で。
もう少し大人になったら。
一人の男として彼女を幸せにできる自信が持てたら。
そのときは、大きな声で言おう。
“君が必要だ”と。
少年は固く誓うと、その想いを心のなかに大切にしまいこんだ。
心を開けば、必ず誰かがそれに応えてくれる。
その事を、少年は心に刻み込んだ。
時の流れの中に埋もれて、決して消え去ってしまわないように--。


