「私の父様はね、強くて優しくて、そりゃあ、とっても格好いいのよ。
私、ずっと、父様と結婚したかったの。
それが無理なんだって知ったときは、大泣きしたのよね」
・・あの時は、母様に意地悪って、叫んだんだっけ。
どうして先に、父様と結婚しちゃうの、って。
ファラは、幼かった頃の淡い思い出が、
昨日のことのように次々と頭に思い浮かんで、思わず笑みをこぼした。
子供のように、微笑むファラを、男は、糸のように目を細くして見つめている。
・・何も知らないこの女が、穢れ堕ちていく様を見たら、あんたはどうするだろうな。
なぁ、トウサマ?
男は、忘れかけていた情熱の炎が、再び火柱を上げるのを見た気がした。
復讐という名の、蒼い炎。


