【天使の片翼】


突然、プッとソランが吹き出した。



・・な、何?



何が起こったのか訳が分からず、呆然とするファラを尻目に、ソランは目に涙を溜めている。


最初はくすくすと笑う程度だったのが、そのうち笑いの神に取り付かれたように大声を出すと、

最後には腹を抱えて体をよじらせた。


「あ、あはっ。あはは。

あ~。おかしかった」


ひとしきり涙を流した後、身じろぎもしないファラと目が合うと、ソランはごめんとあやまった。


「か、からかったのね!」


その一言に全てを悟ったファラは首まで真っ赤だ。

今度は恥ずかしさからではなく、怒りでだ。


「いや、まさか本気にするなんて思わなくてさ。悪かったよ」


「ばか~!何よ!人の気も知らないで」


軽い調子で侘びを言われても腹の虫がおさまるわけがない。

わずかの時間ではあったが、ソランに嫌われたくなくて自分なりに葛藤していたのだから。