【天使の片翼】


「俺が好きだっていうのは、嘘?」


ソランの瞳が愁いを帯びたような気がして、ファラは慌てて首を横に振った。


「違うよ!嘘じゃないってば。けど!」


「けど?」


「本気、なの?」


肯定も否定もしないソランの表情は、艶やかな香りを発しているように思えて、

ファラは急激に体温が上昇する。

女からも積極的にいきませんと殿方を繋ぎとめておけませんわよ、などと言っていた侍女の言葉が、

ファラの頭の中で次々に反響した。


沸騰しそうなほどに熱くなった頭で、ファラはついに一つの決断をすると頭をあげた。

握りこぶしを作って、震える声で囁く。


「わかったよ。目、閉じて」


ファラの言葉に促されるように、ソランはそっと瞳を閉じた。

ファラが背伸びをしたくらいでは、届かないほどに伸びたソランの背丈。

仕方なく首に腕を絡ませ、ソランの顔を引き寄せる。


何度も周囲を見渡して、誰もいないことを確認する。

それでもどうしても、決心がつかない。



・・恥ずかしいよぉ。



と。