【天使の片翼】


やはり自分が何か間違っていたのかと、沈んだ気持ちになる。

それでも、嫌われたわけではないのだと思いなおした。


「じゃあ、どうすればいいの?」


できるだけ、ソランの意向に沿いたい。できれば髪飾り以外の条件で。

泣きそうな気持ちになって、ソランにすがりついた。


「そうだな、ここで口付けろよ。あの時みたいに」


「なっ!?」


冗談だと笑おうとしたが、笑えなかった。

ソランの澄んだ瞳は、あまりにも真剣だ。


「えっと。もうちょっと他に何かない?」


「ない」


「そんな!即答しないで考えてよ。ほら、二人で出かけるとか何かあるでしょ?」


こんな昼間から人目につきやすいところで、口付けなどしたら、一体その後どうなるのか。

髪飾りどころの話ではない。


ファラの体中から、一気に冷や汗が流れ出る。

街で自分から口付けたことは、冷静になって思い出すと、顔から火が出るくらい恥ずかしい。

それでもあの時は、ソランに背を向けられて、衝動的にやってしまったからできたことで。

今それをやれといわれても、無理な相談に思える。