【天使の片翼】


「そ、そんな!どうして?」


精一杯ソランへの気持ちを伝えていたつもりなのに、空回りしていたのだろうか。


「だってさ、僕が買った髪飾りも一度もつけていないみたいだし」


それは確かにソランの言うとおりで。


「だ、だって」



・・・恥ずかしいんだもん!



ファラは言葉に詰まった。

贈られたその日に、髪に飾って城へと戻ったファラを待ち構えていたのは、

めざとい侍女たちによる質問攻め。

正直に話したところ、次の日には城中に噂が広まっており、

会う人ごとに、おめでとうございます、などとからかわれるはめになった。

おかげで、ファラはせっかくの髪飾りを人前ではつけず、部屋でこっそり試しては、鏡の前で一人にやつくはめになっている。


そもそも色恋の方面にはまったく無知なファラだ。

世間の恋人たちがどうやって愛を語り合うかなんて、今まで興味もなかった。

それがここにきて、侍女たちがにわか教師となって、色々と囁くものだから、

自分が幸せに思う気持ちと同様に、ソランが現状に満足しているかが少々気になっていた。