・・なるほど。うまくいってる、って言葉を取り違えたのか。
確かに、ファラが勘違いしそうなほど、ソードとレリーの仲は順調そうに見える。
ひょっとしたら自分たちよりも。
誤解だ、と喉から出かかった言葉を、ソランは直前で飲み込んだ。
せっかく好きだと言われたのだ。これを逃す手はあるまい。
ちょっとしたいたずら心が芽生えて、ソランは口元を緩めた。
「言葉だけじゃあ、信用できないな」
赤く染まっていたファラの顔が、急速に青ざめる。
実を言うと、ほんの少しだけ、ファラには不安要素があったのだ。
確かにお互いの気持ちを確かめ合ったし、口付けも交わした。
カルレインが二人の交際を認めたことで、周囲の理解も得られるようになり、
もはや障害といえるようなものは何もないのだが。
やはり臣下という立場上、相変わらずソランは人前ではファラに対して敬語を使うし、礼儀を守っている。
つまり早い話が、街での口付け以来、二人の間に具体的な進展が何もないのだ。


