【天使の片翼】


とたんに、リリティスの顔色が青白く変化した。


「まさか!そんなこと、話すわけがありませんわ。

それを言えば、あの子の母が死んだ理由についても明かさなくてはならないから、

一生話さないと、そう決めたではありませんか」


流行病にかかった侍女から病気をうつされ、王の子どもが死んだ。


誰から病がうつったかなど、証明できるわけはないが、

カルレインとリリティスの子どもが死んだことは事実だ。

そして、その責任を感じて、ファラの母親が自害したことも。


だが、その事実を知るものは、城内でも限られたものだけだ。


「そうだったな」


穏やかな声だが、リリティスにはカルレインが落ち込んでいるように思えた。


「なぜ今更そんなことを?

まさかっ!?」


隠すわけにもいかない。

カルレインは、ゆっくりと言葉をつむいだ。


「そのまさかだ。あの子は、自分が俺たちと血が繋がっていないことに気づいていた。

多分、どこかから漏れ聞いたんだろう」