【天使の片翼】


これは、ひょっとして一波乱あるのか?


長年仕えて、二人の仲の良さを知っているマーズレンは、

そう思った直後に、自らそれを否定した。


カルレインからちらりと視線を投げられたことからも、結果は明白だ。



・・はいはい。

そうそうに、立ち去りますとも。



いつものように、最後はリリティスがカルレインの毒牙にかかって終わるのだ。

自分の主の事ながら、マーズレンは、リリティスに同情を禁じえない。


だからといって、何か良い策があるわけでもなく、

マーズレンは二人に向かって軽く頭を下げると、さっさと部屋を後にした。


ばたん、と扉が閉まる音を確認すると、カルレインは、リリティスをふんわりと抱き寄せた。

いつもなら、人目など気にせず、愛を囁くところだが。


「リリティス。

お前、ファラに本当の子供でない事を話したのか?」