【天使の片翼】




・・わかりやすいですって?!



今だに夫の考えが読めないリリティスは驚いた。

それは、長年カルレインの警護をしているマーズレンも同じだったのだろう。


必死で平静を装っているが、傍目にも動揺しているのが丸わかりだ。


「ほう。俺は、単純ということかな。どんな風にだ?」


試すようなカルレインの言葉。

リリティスは固唾を呑んで見守った。

もしも、カルレインの機嫌を損ねたら、自分が仲裁に入ろう。

無意識に、曲線を描く自分の腹に手が伸びた。


「カルレイン様は、何よりファラ様に甘い方ですので」


若さとは怖いものだ。あっさりと、ソランは、それを言葉にした。


カルレインの執務室を警備している兵士たちは、中から聞こえてきたカルレインの笑い声に、何事かと顔を見合わせる。

何かあったのなら、すぐに飛び込む必要があるが。

ほんのわずかな緊張が兵士の間に生まれたが、しかし、すぐに静かになったので、元のように扉の前に立った。