もしかしたら、レリーは、カルレインと知り合いなんじゃないだろうか。
リリティスの侍女だったレリーの母との繋がりで。
レリー、と声をかけようとした瞬間、ガギッという重い金属音が響いた。
ついで、ガガガ、という地響きのような体全体を揺らすような音の洪水。
「シドっ!!」
叫んだのは、今までおとなしく事の成り行きを見守っていたソードだった。
「ぐっ!」
シドの体が、宙を舞い、ファラの視界から動きのない絵を眺めているようにゆっくりと消えていく。
実際には、一瞬の出来事だったはずだが。
カルレインに斬りつけられたシドが、足を踏み外して崖の下に落ちたのだと理解するまで、
ぬるりとした時間が流れたようにファラには思えた。
体を拘束されているソードが、シドの名前を連呼する。
ファラはすばやくその場を飛び出すと、カルレインの背中に向かって駆け出した。
・・シド。
まさか、死んでしまったの?
死んだのではない。殺されたのだ。
自分の敬愛する父の手によって。


