いるはずの3人は、そこにもいなかった。
だが、寝具として使っていた毛布が、消えている。
どうやら、雨の気配を察して、先に山の上に非難したらしい。
シドは、ほっとして、外に出た。
たった今、降り出したばかりだというのに、すでに足元がぬかるみ始めている。
早く高い場所に逃げなくては、濁流に飲まれてしまう。
そう思い、シドがそばの崖を見上げた瞬間、きらりと光る何かが、
ものすごい速さで、自分の肩めがけて飛んできた。
風を切るその音で、シドは瞬時に体を反転させ、その物体をかわした。
明らかに自分を狙った、その、鋭い矢の先を。
「よくも、ファラをひどい目にあわせてくれたな」
頭上から降ってきたその声に、シドは聞き覚えがあった。
それでも、本当にそれがソランのものなのかどうか、一瞬迷う。
今までに聞いたことのないほど、怒りを秘めた、野太い声。
「おや、姫君の騎士様のお出ましか。どうやって、この場所がわかった?」
余裕をかましたつもりのシドは、ソランの隣に立っている人物を認識して、色を失った。


