【天使の片翼】


ホウト国との国境を越えてから、さらに2日。

ファラたち一行が城下町に入ったのは、すでに、夕闇が濃くなってくる刻限だった。


「ファラ様。

城門は、すでに閉まっております。城へは遣いを出しておきました。

今日は、旅の疲れを癒し、明日の朝、ゆっくりと参りましょう」


ソランの意見に従い、今夜の寝床を城下の宿に求めると、

皆、ほっとしたように息をつく。


道中、お転婆王女の護衛に、神経をすり減らしていた一行は、

やっとのことで、任務から解放されそうだと気を緩めた。


夕飯を済ませると、早々に寝床に入る。

ファラも、例に漏れず、寝台に体を投げ出した。


までは、良かったのだが・・・。


緊張に目が冴えて、まるで睡魔が寄ってこない。

仕方なく、気分転換に、露台に出てきたのだった。