【天使の片翼】


「まさか!信じられません。

それに、仮にそれが本当だったとしても、別にソード様にとって悪い話ではないと思いますが」


ルビドもすでに年老いて、いつ王位を退くことになるかもしれない。

先日の生誕を祝う会で、次の跡継ぎが発表されるのではないかという噂もあったほどだ。


9人の王子全てに、王位を継承できる権利が平等に与えられているとはいえ、

能力の高い者を跡継ぎにするという原則は、時とともに形骸化の一途をたどっている。


そうでなくば、御前試合で王子の順番に試合の結果が決まっていたりはしないだろう。

今のところ、病弱な第一王子ではなく、第二か第三王子が有力視されており、

それは、たんなる巷の噂話程度のものであったが、信憑性のあるものだった。


どちらにしても、王の実子でないソードは、後ろ盾もなく、かなり不利な状況にある。


新王に即位した義兄は、それが誰であるにしろ、ソードを城から放逐するだろう。

下手をすれば、命を取られることだってありうるのだ。