【天使の片翼】


「私、やっぱりソードとは、結婚できない」


ソランの暖かい手に促されるように転がり出た言葉は、

それを口にすれば、もうどうしようもない現実に思えた。


こんな気持ちのまま、ソードの妻となることはできそうにない。

自分のことだけかわいくて、自分の事だけ大事な、自分。


そんな女を妻にしたら、ソードはきっと不幸になる。

少しずつ、打ち解けてきたソード。

相変わらず、美しく笑って、辛らつな台詞をはくけど。



・・ソードは、ちょっとひねくれてるだけで、本当はとてもやさしい男の子だもの。

私よりも、もっと素晴らしい相手がたくさんいる。



相手を侮って嫁ぐつもりなわけではなかったが、垣間見えるソードの心は、

自分などよりはるかに純粋な結晶で、とても自分が汚してよいものには思えない。



・・父様は、どうして私の相手にソードを指名したのかしら。



ルビド王には、百人を超す子供がいると言われているが、

そのうち、正式に王子として認められているのは、9人しかいない。