【天使の片翼】


別に、兄王子である、エリシオンが嫌いなわけではない。

しばらくぶりに会えたのは、心から嬉しいし、

エリシオンは、自分にとても優しい、よき理解者だ。


しかし--。



・・父様、何してるのかな。



ファラは、普段なら、目の色を変えて集中するであろう、

兵士たちの試合にも、声一つ上げず、おとなしくしていた。

まるで、そこらへんにいる深窓の姫君のごとく。


「ソード王子は、試合には出ないの?」


ソードの服装は、ごてごてと飾りの多い、立派なもので、

ホウト国の正装をしているのだと、すぐにわかる。

もちろん、とても剣をふれるような、姿ではない。


当然、ファラも、それにつりあうように、頭の先から爪の先まで、

豪華な宝飾品で、見事に飾り付けられている。