・・わ、やばい!!
ファラは、急いで剣をシドに渡すと、踵を返して、鍛錬場から出てきた。
「お~、お、お帰り。ソラン。
王様の御用事は、なんだったの?」
とっさに営業用の笑みをはりつけたが、上ずった声まではどうにも隠しようがなかった。
ファラは、頭の後ろに手をやって、ごまかす。
もちろん、そんなことで、ソランが納得するわけもないと承知だが。
毎回、間に入って場をおさめていたソランも、すでにげっそり、やつれ顔だ。
何度言っても、耳を貸さないお転婆姫に困っているのも事実だが、
さしあたっての危険人物は・・・。
ソランが首をめぐらせると、その男は、にっこりと余裕の笑みを返した。
「さて、姫君の騎士殿も来られたようですし、
ソード様。そろそろお部屋に戻りましょう。勉学の時刻ですよ」
ソードの体を起こして、土をはらうと、シドは、ゆったりと背を向けた。
侍女たちは、大きな催しが終わってしまったと、残念がって仕事に戻る。


