【天使の片翼】




・・ひょっとして、そうなのかしら?



自分の勝ちを確信していたファラだが、シドにそう言われれば、そんな気もしてくる。

いくら、自分より年下とはいえ、ソードだって男だ。

ひょっとしたら、自分に勝ちを譲ってくれたのかもしれない。


シドの陰に隠れて、ソードの表情がいまいちわからないが、

もしも負けたりしたら、ぎゃあ、ぎゃあと騒いでいそうな気もした。



・・見た目だけだと、毛並みのいい猫みたいで、かわいいのにな。

ソランなんか、犬って感じで、ギャンギャンうるさいけどさ。



ソードが自分の事を、徹底的に嫌っているのは、しっかり伝わっていたが、

ファラには、どうしても彼を嫌うことは出来なかった。

そもそも、嫌うほど、お互いの事を良く知らないのだ。


「さて、ファラ様。そろそろこうるさい方が、お戻りですよ」


シドが顎をしゃくって見せた方角には、こちらを睨みながら、近づいてくる忠実な犬、

ではなく、ソラン。