・・気づいたらあたしはえみりの前にいて、あごをわしづかみにして頭を壁に押し付けていた。
「痛っ・・何すんだよ!」
「えー?何すんだよじゃねーよ?今の話聞こえちゃったんだけど♪」
 あたしは完全にキレていた
「はぁ!?何の話だよ!」
「何の話だよ!じゃねーよ。二度とこんなマネすんな」
 あたしは低い声でそう言った
 えみりは泣き出した
「うわーこいつ恐ぇ~!」
 男子は騒ぎ出した
「伊藤さんこういう事するの良くないよ」
 クラスの女子が睨みながらそう言う

 よくないって分かってるよ
 でもコイツが全部悪いんだ
 コイツのせいであたしは何もかもくるったんだ
「ガラッ」
 先生がきた。

 皆席に着いた。
「今日の日直は~・・・・」
 先生は何も知らない。いつものように喋りだす
 えみりの方を見ると、顔を伏せていた

 休み時間になり、3人の女の子があたしに話しかけてきた
「よくやったね♪」
 ・・・何言ってんだこの人達
「は?」
「えみりちゃんの事で♪」
 は?何だこの人ら・・きっとからかってるんだ
 もう帰りたくなった。
「うち、永谷舞!」
 ちょっとぽっちゃり系の子・・
「うちわぁ大柴りえ!」
 がっちりした体つきの子・・
「あたしは永井ゆい!」
 髪の毛がぐるんぐるんの子・・

 いきなりどうしたんだこの人達・・
 きっと今友達になっても裏切られるのがオチだね
 そう思ったとき・・

「あたし達えみりちゃん嫌いなんだ。小学校の時・・いじめられてたから・・あたし達。だから伊藤さんの味方だよ?友達になろう♪」
 永井ゆいって子が笑顔でそう言ってきた
「うん・・ありがとう」
 気づいたらあたしはこう言っていた

 学校が終り、クラブは休む事に。
 麗菜はテニス部で、今日は無かったから公園で話をした。

 えみりの事や昌の事、さっきの子達の事・・全部話した。
「そうだったの・・辛かったね。でも大丈夫だよ。あたしが着いてるし、その3人の女の子も味方って言ってくれたんでしょ?じゃぁ大丈夫だよ。『裏切られる』なんて思わないで・・・」
 麗菜は泣きそうになりながらそう言ってくれた。
 そしてあたしは家に帰った