…いや、俊介だって私ばかりに構ってるわけじゃないだろうし、やましいもなにも付き合ってもいないのにこんな風に隠れてる理由なんて…


「ほんっとありがと!
やっぱ朱里ちゃんにお願いしてよかった!」

「うふふ、これくらいどうってことないよぉー」



……理由なんて…理屈の上では………ないはずなんだ。


力が抜けてずるずると座り込む。

二つの足音は遠退いて、どこかの角を曲がったみたいだった。



いつも聞いてるから、わかるよ…俊介。


あの声は、朱里と話してる時のあの……俊介の声は……







恋してる…声だ。