それに。 傘をさして、雨の音。 狭い世界に、隠れられるし。 自分以外を徹底的に、排除できる。 その空間が手に入るのが、昔からずっと、うれしかった。 完全にひとりなんて、なかなかできない世の中だから。 雨の中の傘の内側。 音が世界を遮断して。 ゆっくり、自分と向き合う空間。 頑張れるって、確認したりするのだ。