私は、一度ついたひざを再び起こして蛍光灯の中を覗き込む。 しかしその瞬間、蛍光灯を中心して、敷かれていく半径一メートル強の白い丸線。 アナウンスが、私の頭をよぎる。 「あ、白線の外側に出ないと。」 駅でもあまり守っていないルールを、私はこの時だけは律儀に守った。 万が一、白線の内側に人体に影響を及ぼす不思議な光線でも出されたらたまったものじゃない。