「正気か?美里。」 隆の驚いた声。 「隆は知らないんだよ。兄貴がつけたあだ名は、決して私を驚かそうとしてついたウソじゃない。私も兄貴も、あのお婆ちゃんの魔法を直に見ているんだよ!」 私の興奮は収まらない。 それは、まだ二人とも小学生だった頃の記憶。 お婆さんは何でもない割り箸で人形を作ると、呪文1つで、まるで意識があるような人形を作った。 そして、しばらく兄貴と私は、その割り箸と一緒に遊んだのだ。 手品なんかじゃない。アレは、絶対に魔法だ。