坂口美里とガルダスト


 私たちは、気合を入れて、足を踏み込む。


 もちろん、小さな田舎のフリーマーケット。


 その規模は、時々テレビなんかで特集されるような、都会の大規模フリーマーケットに比べると小さなものだが、私にとっては十分な規模だ。


 最初に見るものは、とりあえず服。


 いくらピンク色が好きだからって、デザインを怠るわけには行かない。


「このデザインで白があれば、もっといいんだけどなぁ~。」


 公園の真ん中に陣取っている20歳前後のお姉さんが開いているシートの真ん中で、水色のワンピースを見ながらぼやく。


 デザインは悪くないけど、この形だと他の服とあわせにくいんだよな。


 もちろん、そんなことをぼやいたところでここは洋服屋じゃないんだから、出てくるはずがないのだけど。