坂口美里とガルダスト



「いや、何でもない。それより、それはいいけど、これっぽちのエネルギーじゃ、元も子もないんじゃない?」


 持ってきたビールは10リットル。


 私の財産で買える限度がこの量だった。


 そして、それだけのエネルギーで動けるのは、カオリの機体一機が限界。


 さすがに、アルタスの野望を止めるには無理がある。


「ええ、確かにそうだけど、美里の世界にはガトトリノが市販されるぐらい、あるんじゃなかったの?」


 不思議そうなカオリの声。


「そうだけど、別にタダってわけじゃないよ。今日買ってきた分だけで、私の財産スッカラカン。」


 わざと、両手を挙げてオーバーリアクションととる私。