坂口美里とガルダスト



「大丈夫?」


 息を切らせながら、ようやくのことで肩まで上り詰めた後に、カオリが心配そうに声をかけてきた。


「大丈夫大丈夫。これぐらい……。」


「やっぱり、異世界人は鍛え方が違うのかしらねぇ~。」


 と言うか、お前がお嬢様なだけだ。


「そ、そんなことないよ。それより、いきなりこんな方法で大丈夫なの?」


「何が?」


「ガルダストにビールを注ぎ込むなんて……少し科学的な実験データを取ってからの方が良くない?」


「でも、この方法が、一番手っ取り早いでしょ?」


 ……ごもっとも。