ハゲ豚は、それだけ言い残すと、その場から立ち去っていった。 とにもかくにも、気に食わないジジイだ。 絶対、裏で悪いことしているに違いない! 「美里、顔、顔!」 カオリに言われて、自分の顔がとても、ゆがんでいることに気がつく。 「え?あ、ごめんなさい!」 慌てて、顔を揉んで元に戻す私。 「気にすることないわ。あなた、最初に会ったときもそうだけど、本当に、正直者よね?見ていて飽きないわ。」 「あ、よく言われます。」 それが、ほめ言葉なのか、イヤミなのかは別としてだが。