「拓哉……何?」

そこにいたのは拓哉だった。

私は今拓哉と目を合わせることもできない。

「放課後一緒に帰らないか?」

「えっ、でも総体も近いし……」

拓哉は私をじっと見つめていた。

あの時とも、いつもとも何処か違う瞳で。

「……うん、わかった。」



その日は時間の流れが凄くゆっくりで、でもその時はあっという間にやってきたのだった。