遠くから2人の様子を見ていた優斗。

「良斗……琴音ちゃん……」

幼いながらに2人の気持ちが分かってしまった。

トクン。

小さな脈動を打つそれが、脆く崩れていくのを感じていた。

「来年は雨が降ったら良いのに。もうずっとずっと天の川なんて掛からなければ良いのに。」

涙がボロボロとこぼれ落ちていく。

ぬぐってもぬぐっても止めることなんてできなくて、琴音と良斗が帰りに気付くまでずっと優斗は泣いていたのだった。