亜季の語調が変わった。
とても鋭く厳しい。
「きっとさ、2人は凄い勇気を振り絞って琴音のこと誘ってくれたんだと思うよ?」
真剣な眼差し。
私は亜季の瞳をじっと見つめている。
「だとしたら、そんな顔で行ったら選んだ方に失礼だし。選ばれなかった方だって、どうして良いのか分からないよ。気持ち的にも、ケジメ的にもさ。」
亜季はいつも真剣だ。
自分のことにも他人のことにも決して手を抜いたりしない。
私は亜季のそんな所が大好きで親友になったのだと思う。
「あ、雨止んだね……」
柔らかな表情に戻った亜季がそう言った。
まだまだ湿気っぽくて、あまり気持ちの良い天気だなんて言えなかったけど。
「……なんか良いよね、友達って。」
私は凄く清々しい気持ちでその時を迎えられそうな気がしていたんだ。



