事のてんまつを話して、私は亜希のリアクションを待つ。
「はぁ、なんか凄い奴だとは思ってたけど、ここまでとはね。」
亜希は何かを考えているのか、時折うーん、と唸っている。
私は自分事なのに何でだかふわふわしていて、呑気に雨空を眺めていたりした。
「ってか白鳥ってさ。たまに琴音のこと知ってる風な時あるよね。」
「うん、私は本当に知らないんだけどな……あ、でも……」
「でも?」
今度は私が聞き返された。
私は確信なんてない、その事を伝えるのだった。
「……なんかね優斗と似ている人に会ったことがある気がしなくもないんだよね。」
「似ている人に会った気がしなくもない……ってそれ他人じゃん。ほぼ。」
「……うー、なんて言ったら良いのかな。」
確かに優斗ではない。
でも他人な気もしなくはない。
本当自分でも分からないけど、本音だった。



