「はぁ!?同時に2人の男からデートに誘われた??しかも2人とも気になってるってアンタ……」

家に帰った私は夕飯も食べずに亜希に電話していた。

「うぅ、私どうしたらいいの?」

これは私の本音だった。

優斗も拓哉もどちらも大切なんだ。

「いや、どうしたらいいってそりゃ……私にもどっちが良いかなんて分かんないけどさ。」

「けど?」

亜希は言葉を濁していた。

私がそれに気付いて突っ込むと、亜希は少し観念したように言う。

「琴音が行きたい方と行くべきだよやっぱりさ。白鳥か鷲尾、どっちが良いとかないの?琴音は。」

言葉につまる。

正直な話、私は2人とも好きなんだと思う。

どっちが先とか、どっちの方が思いが強いとか無いんだ。

ただ2人とも好きで……

「にしても、そっか。最近あの2人の様子が変だと思っていたけど、まさかこういうことだったとは。」

亜希の言葉に、校門での事件が思い出された。

そして保健室でのキス。

「……………。」

「……琴音?どうしたの?」

私はそのことは誰にも言わないつもりだった。

でも、この時の私は凄く頭が混乱していて、知らない内に口から出ていたんだ。

「この前保健室で、優斗にファーストキス奪われた……」

「…………。はぁあ!?」